爽快で熱を帯びていたあの夏から早2ヶ月。
外はすっかり、紅葉が色づき 秋風が吹き抜けていくようになり、秋を感じさせる季節に変わっていた。


今日までもずっと、何も変わることなく 紗良ちゃんは廉の元へ来て 二人はずっと仲良く一緒にいた。

そして…実は明日は、私の誕生日。
3年ほど前までは 毎年私の誕生日を覚えててくれて、サプライズもいっぱいしてくれたものだけど…

すっかり何も無くなって もはや、私の誕生日なんてものは ただの一日に変わっていた。

「…ねぇ、廉」

廉「何。」

「明日は…オフだったよね?」

廉「わかってんなら聞くなよ…そうだよ。それがなんだよ。」

廉は嫌かもしれないけど…せめて今年が最後でもいいから、私は廉と2人で出かけたいと思った。

廉との唯一の時間が、この1度きりでいいからデートをしてみたい そう思ったから、聞こうと口を開いた

「おねがいがあって…明日ね__」

プルルル

無機質な着信音が私の声を遮って鳴った。
もちろん、廉の携帯。

相手は…紗良ちゃんだった

廉は当然そっちを優先して電話に出た