「遅い。」

「お、遅れてごめん……!!」

外に出るともうみんないて、車が1台。
イライラしたように廉は遅い。と一言だけ言った

「いいよいいよ!!じゃあ行こう!!廉〜運転よろしくね!」

「おう、任せろ」

廉が運転席に乗り込むと、当たり前のように紗良ちゃんは助手席に乗り込んだ。

まぁやっぱり、そうなるよね……

「……大丈夫 侑希?無理、しないようにね」

「んー?私なら大丈夫だよ!昇は相変わらず心配性だなぁ」

乗り込む前に、昇が気を使ってそう言ってくれた。
私は昇に何も言ってないけれど、多分 この状況に気付いてる。

昔から鋭い昇にはそれが分かるんだろう。
あんまりわかって欲しくなかったけどね

「じゃあしゅっぱーーーつ!!!」

紗良ちゃんは明るくテンションMAXで声を上げた。
その声を合図に、廉の運転する車は発進した。