「……お待たせしました。これを、どうぞ」

「ありがとうございます。綺麗なスノードームですね!」

「私が作ったんです。気に入っていただけたら嬉しいのですが…」

「手作りですか!? すごいですね! 家に飾ります」

まるで子どもみたいに目をキラキラと輝かせてスノードームを見つめる彼に、思わず笑ってしまう。

「ふふっ」

「え? 僕、何か変なこと言いました?」

「いえ。可愛らしいな、と思って…」

「か、可愛らしい…?」

「スノードーム、喜んでいただけてよかったです」

彼は恥ずかしそうに笑って、スノードームを鞄にしまった。

「長居してしまってすみません。ありがとうございました」

「こちらこそ、引き止めてしまって…ペンダントもありがとうございました。素敵なクリスマスをお過ごしください」

「メリークリスマス」

彼はそう言い残して店を出た。