「はい!立花ひかるです!この子も迷ってたみたいなんですけど…」

私はそう言って、隣の男の子を指さす。指さすと、先生は不思議そうに彼を見て声をかける。

「葉月くん、あなた2年生でしょう?迷ってたの?」

――ん?2年生?

「いや、コイツが半泣きで迷ってたんで」

「連れてきてくれたのね、ありがとう。でもあなたも教室にもどりなさい、ホームルーム始まってるわよ?」

「はーい」

隣にいた彼は返事をすると、くるりと体の向きを変え、教室を出ていこうとする。彼が出た後、私は状況をやっと理解し、追いかけた。