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「うわ、もう集合の時間すぎてるね」
何も言わず私の手を引っ張る彼に私は声をかけるも、彼は無言である。彼に手を引かれるがまま歩いてきたが、あっという間に”1-A”と札がある教室にたどり着いた。
「お前、A組だったよな」
「え、そうだけど…」
「ほら、着いたぞ」
――ガラッ
彼はそう言うと、空いたほうの手で勢いよく教室の扉を開けた。その瞬間目に入るのは、教室内の生徒たちの視線。
「す、すみませんでした!少し迷ってしまいまして」
そんな視線を気にせず、私は笑顔でそう言うと、担任であろう女性の先生がさっきまでポカンとしていたが、ハッと我に返ったかのように「あ、立花さん?」と聞いてくる。


