「”青春”って言えば、たとえば”先輩とときめきの放課後♡”とか」

「出た出た、先輩。その葉月先輩とやらとは、どうなんだよ」

「どうって、・・・・・・最近、会ってもない」

「ま、学年も違ったら会う機会ないもんな」

「会いに行けばいいって思ったけど、2年生のクラスに行くなんて怖くて無理かも。それに何組がわかんないし」

「ポジティブなひかるが、これまた珍しい。思い立ったらすぐ行動のくせに弱気になって、っぽくないのー」

「うるさいな~、とにかく私は今日は大人しくその補習という名の”青春”を感じることにします~」

「がんばってください~」


洸太郎とは、この間の保健室のこともあったけど、全然普通に話せている。だってこの間の指にキスは、私が前に貸した少女漫画の真似だと思うから。きっとそうだ、そうに違いない。そう思って私は普通に接しているし、洸太郎も何事もなかったかのように接してきているから。