「勢いってなんだよ、後先考えずに口走るわ、突っ走るわ、そういうとこがだめんなんだよ」

「ダメってなに?!ダメじゃないよ!思ったらすぐ行動!いいことでしょ?」

「そういうことじゃなくて」

「二人とも、落ち着いて」


私と洸太郎が言い合っていると、凛ちゃんが我慢できず止めに入る。二人の勢いは先ほどよりも落ち着き、黙って眉間にしわを寄せあっていた。


「俺、購買行ってくる」

「あ、ちょっと洸太郎!」


洸太郎はすぐに席から離れ、他の友達を誘って、教室から出てってしまった。


――洸太郎、なにもそんなに怒らなくてもいいのに。


「ひかるちゃん、気分転換にお弁当外で食べる?」

「え?」

「中庭とかもあるみたいだし、探検してみようよ」


気を遣ってくれたのか、凛ちゃんはお弁当を鞄から取り出して、私にそう言ってきた。私も「うん」と返事をして、鞄からお弁当を取り出した。


◆◆◆◆◆◆


「中庭ってここ?」

「そうみたいだよ、結構広いね」

学校探検もかねて、中庭でお弁当を食べることになった私たち。着いた中庭は、朝わたしが迷った場所だった。やっぱり、中庭とは思えないくらい大きいな。

「ベンチちょうど空いてるし、そこで食べよっか」

「うん、そうだね」