「それじゃ…、あたしが…急に眠ってしまったりするの…って、その女の人が…?」

話し終えた律…

美結は、涙も止まり…、律の話を真剣に…か、どうか不明だが…聞いていたようだ…

「まぁ…、そういうことなんだけど…」

「…そぅ…なんだ。。」

これで、彼女が…離れていくようなら、それも仕方ない…

手のひらを返すように…離れていった人間を、何人も見てきた…


……が。。



「すごいねっ! 西園寺くん!」

と、先ほどとは打って変わって…明るく歓喜の声を上げる美結…

「…っは?」

「霊感あるなんて、すごいっ!
あたし、初めて会った~!」

「……っ」

その、美結の言葉に…律は、一瞬両目を見開いた…

「…怖くないの…?」

「…【怖い】? なんで…?」

「だってさ…、」

「でもさ、そういうのを…人に悟られないようにしてたんでしょ?
だって、霊とか…見えるって言ったら…何も見えない人は、距離置いちゃうよね?
て、本とか、テレビで…の情報だけど。」

「……っ」

「あたしが、その人に取り憑かれてるから?
西園寺くんと、別れたら…もぅ、その人はあたしに取り憑かない?」

「…多分…、そうかも…?」

美結の言葉に、律は驚いた…

自分のことを、ここまで受け入れようとしてくれる人がいることに…――


「あたしが、西園寺くんと別れた方が…、いいの?」

「そうは、言ってないけど。
三枝が、その方がいいなら…」

視線を落とした律に、美結は、律も不安でいることに気がついた…

「あたし、このまま…終わりにしたくない…」

美結のはっきりとした言葉に、律は、視線を上げる…

「三枝…」

「だって、試用期間でも、付き合えるようになったのに! そんなことで終わりにしたくないっ!」

「…そんなこと?」

「大丈夫っ!」

そぅ、自信あり気な美結の言葉に…、律は圧倒されそうになったが…急に、吹き出し…笑い声を上げた…

「なんだよ、それ?
俺…、この話をするのに…一晩…考えちゃったんだよ…
なんなの、その反応…っ!」

そぅ、先ほどの表情とは違い…、笑い出している律…

そんな律に、美結も安心したように…

「…怖いょ…、知らない人に身体を取られるなんて…」

それが…、美結の正直な気持ちのはずだ…

「ホントは、最初に夢に…女の人が出てきてから…怖くて。。寝るのが…眠ったら…その間に、自分じゃなくなっちゃう気がして…」

震える声で、言葉を紡ぐ…