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「…遊園地…?」


数日後の夜…

美結から電話が掛かって来ていた…律は、両親に悟られないように、自室のベランダに出…その話に対応していた…

『うん、せっかくの夏休みだし!
佐伯くんと瑠奈も誘って…』

「……っ」


一瞬、無言…になった電話口の律の対応に、美結は不安になったのか…?


『…ダメ…かな?
あ、忙しい…のなら、いいんだけど…』

「…いゃ…っ」

彼女が、自分に気を使っていることは、見て取れた…

以前とは、少し…気の使い方が変わってきているような気さえしてくる…

美結は、美結なりに…律との距離を縮めたい…が、律の気持ちを尊重したい…というのも…律自身にも分かっていた…


「…忙しくはないょ。いいよ、行こ…」

律にいたっては…自分なりに、彼女の気持ちに応えていきたい…という思いもあった…


『ホント? 良かった~、ありがとう~。』

その声のトーンで、彼女がいま、どんな表情で喜んでいるのか…が、伺えた…

そぅ、思い返す…と、自然…と、笑みが零れた…


愛情があるか…?
…と、聞かれたら…答えようがない…

が、コロコロと表情が変わる…美結を泣かせたくはない…という想いもあった…

自分に、愛情を向けてくれる人を…裏切ることはしたくなかった…


『じゃ、瑠奈たちと日程、決めるから…!』

「うん。分かった…」


その後、しばらく…話しをし…。。

電話を切った…


律は、空に広がる…無数の星空を見上げる…

そっ…と、瞼を閉じる…

ふ…っと、思い出すのは…祖母の天音の法事の日に出会った…あの少女の幽霊…

図書館で出会った…もう1つの銀色の髪をした女性…


吸い込まれそうな瞳に、囚われ…離れない…


あの、一瞬…
何かを思い出しかけた…が、あれ以降…何も思い出せなかった…


…が、自分が彼女を殺したのは、事実…


それでも…

彼女のことを、思い返す…と、罪悪感とともに、愛情があったであろう…記憶しかない…


自分は、これで…良かったのだろうか…?



いま、彼女を、想ったところで…
この世の存在ではないのだから…、どうすることも出来ない…


「……っ」
《…これで、良かったんだ…


あの人は、存在しないのだから…》