あんな状況になるんなら
聞かなければ良かった。
勝手に好きになって
勝手にドキドキとかした
自分がバカみたい。
あの後、私は1人で
また弓道場に向かって
誰も居ないとこで
1人で矢を放っていた。
ピロロロロ~ ピロロロロ~
パンッ
ピロロロロ~ ピロロロロ~
パンッ
鞄の中で電話が鳴ってるとも知らず
私はイライラを少しでも減らすため
矢を的に当て続けた。
そして、家に帰ったのは
夜の19時の時だった。
「あら、今日はやけに遅かったじゃない」
夕食を作っていたお母さんが
話しかけてきた。
「うん…イライラしてたから
自主練してた」
そう言いながらお母さんが用意してた
私の大好物のシューマイを食べる。
「本当私と一緒ね
私も学生時代はそうやって
イライラしてると弓道場で練習してたわ」
お母さんも中学生の時から高校まで
弓道をしていた。
私が弓道を始めた当初
お母さんも同じ弓道してた
って聞いた時は驚いたけどね。


