はぁ、と小さくため息をつくと藤堂は苦笑いを浮かべながら永倉に問い詰めた。



「いや、だから、新八さんは瑠璃に何を言ってたわけ?
まさか本当に口説いてたわけでもあるまいし。」

「別にたいしたことじゃねーよ」

「なんですか?
余計に気になりますよ」



本人に聞かれてしまえば流石に言わないわけにはいかず、渋々口を開いた。



「……いや、
ただ最近瑠璃、身長伸びたよなって話。」


「なんだーそんなことかよ、
てっきり瑠璃のむ「左之助ぇ!」」

スパーンという清々しい音と共に原田の言葉は遮られた。

永倉が原田の頭をはたいていたのだ。



「いってー!!何すんだよ!」

「お前には常識ってもんがないのか…」

「馬鹿にすんな!俺を誰だと思って「死に損ないの馬鹿左之。」そぉだ!死に損ない…って新八よー一言多いんだよ!」


「自業自得だろ。俺のせいにすんな馬鹿。」


「んだとォオ!?」



そしてまたいつものように言い合いが始まってしまった。



「…瑠璃。とばっちり喰らう前に飯に行こう。」

「……はい。」



白い視線を送りながら瑠璃と平助は顔を見合わせて朝食の席へと向かったのだった。