櫻春風花ーかざはなー



「もう言わずとも察しは付くと思うが、瑠璃の江戸行きの日取りが決まった。」





「!?」


「どうしたんですか?瑠璃ちゃん。」



ビクッと肩を揺らし、驚くそぶりを見せた瑠璃。


それにいち早く気付いた総司は、心配そうにその顔を覗き込む。





「っ!」





総司の目に飛び込んできたのは、寂しそうに俯き、涙で瞳をゆらゆらさせている瑠璃の顔。










「る…」





声をかけようとするが、瑠璃は、涙をためた瞳をキッと総司にむけ、言葉を遮った。




近藤さんたちに迷惑はかけたくない。




固く結んだ瑠璃の唇は、それを物語っていた。




これを汲み取った総司は、小さくため息をつき、困ったように笑うと、再び近藤たちに向き直り、先を促した。

「それで、
いつになったんです?」




後ろの三人も、気になってしょうがないようで、身を乗り出して座っている。