「…ふふッ。」
その姿に笑いが堪えられなくなって
吹き出してしまった。
「…は?」
玲央はポカンとマヌケ顔で
私を見ている。
「あはは!お返しだよ!
玲央が私の事からかうから!」
ひっかかった~!
そう付け足して
玲央のほっぺをツンツンすると
その場にしゃがみこんで
頭を抱えた。
「は~~~~。
まじで怒らせたかと思った…。」
もっと何か言い返してくると
予想していた私の考えを
玲央は見事に裏切る反応をした。
本気で安堵する姿に
からかった事が
申し訳なく感じて
「玲央?ごめんね?」
今度は私が謝った。
…でも、私の声は
確実に届いているのに
玲央は一向に顔を上げようとしない。
…なぜ。



