「体育館裏について
すぐにケータイを取られたんだ。
わざとつまずいて俺に
寄りかかった時に…。」


ズキンと胸が痛んだ。
その子が一瞬でも
玲央に触れたと思ったら。


来てくれなかった怒りより、
”嫌だ”そんな想いのが勝っていた。


「神崎さんに構わないでって
何度も言われたけど、
俺は誰になんと言われようと
凛と居たいから…。
何とか分かってもらって
教室に戻った時にはもう
凛が帰った後だった。」


「…え?」


後ろから抱きしめられていて
玲央の顔が見えなかったから
顔を見ようと振り返った。


玲央の言葉に驚いたから。


玲央は私を抱きしめていた腕を解き
お互いに向き合う体制になった。