私の専属王子は金髪君





少し歩いて電車に乗る。


ガタンゴトンと揺られる体。
まだそんなに混んでいない
車内から外を眺めた。


”夏目玲央”


見るからにチャラそうな
金色の髪の毛が特徴の男の子。
コロッケパンとチョコミントが好き。
誕生日は七夕。
笑った顔は無邪気で
私の心にスッと入ってくる
不思議な人。


そして…私を好きだと嘘をついた。


たった1日。
知った情報はこれだけ。


なのに…


どうしてこんなに
胸が苦しんだろう…。


綺麗に赤く染まった空は
今の私の心とは真逆で
見るのが辛かった。


***


電車を降りれば見慣れた景色。


私とは違う制服を来た人たちで
賑わっていた。