私の専属王子は金髪君

口から出るのは否定の言葉。


だけど、心のどこかで
ずっと続けと思っている自分もいる。


玲央はすごく不思議な人。


私は、昔の記憶が曖昧なせいで
初対面の人と話すときは
妙に緊張してしまう。


人との接し方を
忘れてしまったから。


でも、玲央はそんな私の心に
スッと入ってくる。


土足でズカズカ
踏み込んでくるわけじゃなくて
もっとふんわり優しい感じで。


「ま、あんまり
意地張ってると
気付いたときには遅いからね~!」


菜月は私の気持ちを
読み取っているかのように
意味深な言葉を残して
自分の席へと戻って行った。


…気付いたときには遅い、か。


恋愛初心者の私には
まだ意味が良く分からなかった。