私の専属王子は金髪君



「…おじさん、おばさん…。」


俺の声に反応した4人が
一斉に俺の方を見た。


「玲央…、病室に居なさいって
お医者さんに言われたでしょ?」


そんな母さんの声は
俺の耳に届いていたけど
それを無視して涙で目を真っ赤にしている
凛のお母さんの前に立って
頭を下げた。



「凛の事…、守れなくて
すみませんでした…。」



俺の放った声は
静かな手術室前の廊下に響いたけど
おばさんがそれに何か返してくるでもなく、
ただ頭を下げ続けていると


「玲央君、頭あげて。」


代わりにおじさんが
俺の肩を支えて体を起こした。


「でも…、」


「玲央君のせいじゃない。
玲央君だってこんなに大けがして…。
とりあえず座りなさい。」