私の専属王子は金髪君



…凛?



「凛!?凛!!!」




俺は自分の体に走った痛みを忘れ
慌てて凛に駆け寄れば
無傷だった沙希が大粒の涙を流しながら
凛の手を握っていた。



「おい!凛!!起きろって!!凛!!」



何度呼びかけても
ピクリともしない体に
俺は全身の血の気が引いていった。




突然の出来事に
ただ泣きながら
凛の名前を呼ぶことしかできない俺たちに対して
周りにいた大人たちがいつの間にか
救急車を呼んでくれていて
凛は救急隊の人にタンカに乗せられ
連れて行かれた。


俺もそこに同乗したかったのに
足が動かなかった。



「キミ!足が折れてるんだから
じっとして!!」



そう言われ、初めて自分の足が
骨折していたことを知った。