「あー、受験まであとちょっとだね~。」
塾帰り、3人並んで歩いていた帰り道。
「そうだね~。
でも、出来るだけの事はやって来たし
大丈夫でしょ!」
いつも通り、他愛もない会話をしながら
信号待ちをしていたその時だった。
キィィィ――――――ドンッ
タイヤとアスファルトが
擦れる嫌な音と共に
視界に入った明るい光。
そして体に感じた鈍い痛み。
―――何が起こった?
「…ん!…だ!…や…だ…凛!!」
沙希の泣き叫ぶ声が聞こえ、
何とか目を開けるとそこに写ったのは
真っ赤な液体に包まれた凛の姿だった。



