私の専属王子は金髪君



俺は元々絵が上手かったわけじゃない。


俺が絵を描くきっかけになったのは
もちろん凛だ。


まだ凛が引っ越してきて間もない頃、
砂場に木の棒で描いた
うさぎの絵に凛が食いついてきた。


「れおくんじょうず!!
うさぎさんかわいい!!」


そんなにずば抜けて
上手いと言えない俺の絵を
この時の凛は、
引っ越してきてから
一番と言ってもいいほど
満面の笑みを浮かべて喜んだ。


それが嬉しくて、
どんどん違う動物を描いていくと
もっともっと笑顔になって
喜んでくれたから、
この瞬間に俺はもっと絵が上手くなるように
練習しようと決めたんだ。


凛が喜んでくれるなら
どんな絵だって描いてやる。


小さな決意をした俺は
家に帰るとスケッチブックに
動物の絵をたくさん描くようになっていった。