知らない同級生や
怖いギャル達からの視線は
それはもう痛いったら
ありゃしない。
だから何とか離してもらえるように
お願いしてみたんだけど…


「凛は俺と手繋ぐの、嫌?」


なんて聞かれて、
私は首を縦に振ることが出来なかった。


…だって、嫌だと思わなかったから。


手を繋いだのなんて
初めてのはずなのに、
緊張とか恥ずかしいよりも
夏目君の手が大きくてあったかくて
なんだか心地よかった。


結局繋がれた手はそのまま
人のいない裏庭へ向かった。


朝ぶりの裏庭。
葉桜となってしまった
桜の木の下にある
3人掛け用のベンチに座った。


「あ~~!お腹減った!
早く食べよーぜ!」


夏目君は
持っていたビニール袋から
パンを取り出した。