私の専属王子は金髪君

なんだかんだ言っても
夜、玲央に会えるのは
思ってもみなかった嬉しいチャンス。


私は部屋を出てから
この機会をくれた菜月と
他の4人の子にお礼を言って
遺跡見学へと向かった。


***


「「「終わった~!!」」」


あちこちから喜びの声が上がる中
私はそんな事は気にせず
玲央を探し回っていた。


私が夜抜け出せたとしても
玲央も抜けられるって保証はない
って事に遺跡見学中に気付いたから
それを伝えるために。


泊まる宿のロビーをぐるぐると
視線を彷徨わせ
目立つ金色の頭を見つけた。


「ちょっとすみません…。」


押し寄せる生徒をかき分けて
その頭目がけて一直線に進んだ。


「…玲央。」


近くに来て玲央の香水の匂いが
鼻を掠めたと同時に
Yシャツを引っ張った。