そして
2人組の女の子に
混ぜてもらってお弁当を
広げ始めた。


「ちょ、菜月!?」


菜月は私の声に振り向くと
楽しそうに『バイバイ』と
口パクで手を振ってきた。


…これはもう諦めるしかない。
菜月は楽しんでいるから。


でも、最初だけ付き合ってれば
そのうちパタッと来なくなって
自然消滅するよね…?


そうプラスに考えた私は
周りの視線を感じながらも
夏目君の前まで足を進めた。


「あの~?」


「お昼、一緒に食べよ!」


手をグイッと引っ張られて
断る隙は与えられなかった。


自然と手は繋がれていて、
当たり前だけど注目の的。


「ね、ねぇ、手離さない?
逃げないからさ!」