私の専属王子は金髪君

「…え?」


そんな事考えもしなかった。


そもそも約束なんてしてないし、
2人で部屋を空けるなんて
不可能だと思っていたから。


「え?じゃなくて!
青春だよ!?
抜け出して密会とか!
ここでやらなくていつやるの!!」


グググッと更に迫ってくる菜月に押され
後ろへ仰け反った。


「い、いつって言われてもね…?」


気迫に負けて
か細い声を発すると
もう一度ビシッと指を立て


「大丈夫!
作戦はバッチリだから!!」


ニヒっと悪い顔で笑う菜月の
その作戦とやらはこうだった。


やることの早い菜月は
4人部屋の女の子たちに
2人ずつ別れるように
お願いしていたらしい。
ちなみにその4人は
4人全員で仲良しじゃなくて
2人同士仲いい子達が
集まっただけみたいだから
部屋が別になっても
問題ない。