私の専属王子は金髪君

***

それから手を繋いだまま
歩くこと数十分。


「凛!見てみ!」


玲央のはしゃぐ声に
視線を前に向けると


「すごい…。」


着いた頂上は
思っていたのとは違って
崖のような場所ではなく
平坦な広さのある場所で
周りには色とりどりの花たちが
咲き誇っていた。


「来てよかったな?」


へへッと笑った玲央に
つられるようにして
私も同じように笑みを返した。



玲央ってやっぱり不思議。
玲央といると
周りにフィルターがかかったように
見る物すべてが実際以上に
良いものに見えてしまう。


何をするにも、見るにも
玲央が隣にいることが
その事を特別に変えてくれる。


今回のしおりを作るのも
玲央と作ったから
意味のあるものになったんだ。