そして長谷川さん達は倉庫から走って逃げた。


「なんなのよ、本当にイラつく」


そう残した美希は私の元へと駆け寄って私に抱きつく。


「晴空!!」


「美希…」


「もう!あんたが今まで誤魔化すから

ちょっと様子見てたけどやっぱりダメじゃない!

心配したんだから!バカ!!」


やっぱり美希達にはどんなに誤魔化しても

すぐに勘づかれちゃうみたい。

相当心配したのか珍しく皆の前で泣く美希。


「ごめんなさ…っ……美希っ…

本当にごめんなさいっ…」


私も今まで耐えてた分の涙が解放されたかのように流れた。


「無事で良かった…っ…」


私と美希が抱きつきながら泣いてる姿を

温かい目で見る蒼空くん達。


「晴空…」


今までに無い優しい声で私と同じ目線で

しゃがみ込む蒼空くん。

今まで私の事チビって呼んでた蒼空くんが

今ではちゃんと名前を呼んでくれてる。


「蒼空くん…っ…ごめんなさいっ…

ごめんなさっ…」


沢山謝って謝って、謝っていると蒼空くんに

腕を引っ張られ美希の次は蒼空くんの腕の中。


「本当、心配した。

なんでこんな時まで強がるんだよ…

お前は本当バカだな」


優しい声で少し強く抱き締める蒼空くん。

その言葉と共にまた私は涙を流した。