水島くんに言われた通り

私は西校舎に居る誰も居ない家庭科室に来ていた。


「わり、遅くなった」

……え??


「な、なんで…」


水島くんが来て目を見開く。


「ん?」


「なんで、濡れてるの?」


保健室で借りただろうジャージに着替えていた

水島くんは髪が濡れていてタオルを首に掛けていた。


「あー、いや臭いままだと変に思われるから

わざと水浴びてジャージを借りる為の偽装工作だ」


水島くんの言葉で納得した。

そっか…そうだよね…

ゴミ袋漁ってましたなんて言ったら一大事だもんね。


「はい、これ」


水島と刺繍で書かれたジャージを渡される。


「ありがとう……本当に…っありがとう」


水島くんが良い人過ぎてまた泣いてしまうよ…。


「ほーら、泣くなって!さっさと着替えて来い!」


「うん…!」


家庭科室の隣には使われていない教室があった。

そこで水島くんから借りたジャージに着替える。

やっぱり髪とかはゴミの臭いが染み付いてて少し臭う。

こればっかりはしょうがないよね…。


ジャージに着替えて水島くんも空き教室へと

入って来て私は水島くんに今までの経緯を話す。