俺の彼女に手出すんじゃねぇよ

「今日の授業中、私が蒼空くんに

話し掛けようとしたらね

無視されて晴空ちゃんの方に行っちゃったのよ。

知ってるでしょ?」


「えと、そ、それは…」


「知ってるはずよ?

だって、私と一瞬目が合ったもの」


長谷川さんの言う通り

蒼空くんが私に話かけに来てくれた瞬間

長谷川さんと目が合って怖い表情に

違和感を抱いた時がその時だった。


「別に無視されるのはいつもの事だから

慣れてるけど晴空ちゃんの所に

話し掛けに行ったのが残念だったな〜」


全然残念そうな顔じゃない長谷川さんと女子2人。

むしろ、少し笑ってる。


「な、なんで…残念なの?」


恐る恐る長谷川さんに聞いてみたら

私の目の前に近づいてきた長谷川さん。


「ごめんね、正直私、あんたが嫌いなの」


「え…」


嫌い…

その言葉を言われて胸がズキズキした。

美希が言ってたあの嫉妬の苦しさとは

また違った苦しみ。


「だって、今まで話すらもしてなかったあんたが

いきなり蒼空くん達と話すようになった。

私は無視をされてでも話したのに、なんで?

なんであんたの前では普通に話すの?

しかも誰も見た事の無かった笑顔までしちゃって…

あんた見てると腹立つのよ」


教室に居る時の長谷川さんからは分からなかった

彼女の本当の姿。