私は蒼空くんが好き。






「チビ、同じ班だな」


ふと蒼空くんの方を見るといつの間にか

私の方を見てた蒼空くん。

さっきの長谷川さんの言葉で苦しかったのが

何事も無かったかのように一瞬にして消えた。

移動教室で4人5人で班になって行動する時が

あるから蒼空くんとは席が違っても

同じ班になった事で嬉しかった。


「あ、うん!そうだね!」


蒼空くんが好きだから長谷川さんが蒼空くんの

隣でも蒼空くんが私に声を掛けてくれただけで

嬉しくなる。


ついでに言うと…

美希の隣は美希が普段からバカ犬と呼ぶ

岡西くんだった。

岡西くんが話し掛けても

面倒くさそうな顔をする美希。

私は美希達の様子を見て頬が少し緩んだ。


新しい席になってから朝

教室に来て自分の席に座るといつも

私達より先に来てる蒼空くんから

声を掛けられる事が多くなった。


「おはよ、チビ。今日の課題に出されてた

数学のさここが分かんなかったんだけど教えてくんね?」


「お、おはよ!蒼空くん。

うん、ここは…」


2人で授業で分からなかったとこを教え合ったりして

最近の朝でのこの会話が私の少しの楽しみになった。


「やっぱあの2人絶対付き合うよね」


「あぁ、蒼空も晴空ちゃんの前だとやけに素直だしな」


この時、私と蒼空くんの姿を見て美希と明くんが

ニヤニヤしている事は私達は気付いても居なかった。