「木村!よろしくな!」


私の隣になった水島くんは手を出して

握手を求めるような形で挨拶をしてきた。


「あ、うん!よろしくね!」


私も握手をしようとした瞬間どこからかとっさに

間に誰かが入ってきて

私が水島くんと握手する前に水島くんと握手をした。


「よろしく」


「おー!よろしく!って…

なんでお前が握手してくんだよ宮本!

俺は木村と握手したかったんだよー!!」


「「ハハハ!ドンマイ和也!」」


何故か分からないけどさっきまで本を読んでた

蒼空くんが私より先に水島くんに握手をして

蒼空くんと握手した水島くんは少し残念そうにした。

たけどそれがクラスの笑いになった。

握手をし終えた蒼空くんはまた本に目を戻す。


「あ!後ろ晴空ちゃんなんだ!よろしくね!」


今気付いたかのように私の方を見て挨拶をする長谷川さん。


「う、うん、よろしくね…」


長谷川さんが前の席でこれから次の席替えまで

私は長谷川さんが蒼空くんに話掛けてるのを見ると

なると胸がまた苦しくなった。

でも、もうこの苦しさがなんなのか

蒼空くんと席が近くて少しでも嬉しくなったのが

何なのか今では分かる。