俺の彼女に手出すんじゃねぇよ

【蒼空 side】

昨日の文化祭が終わってから何故か

チビの元気が無い。

チビの元気の無さに明と神奈崎も気付いてた。

文化祭の時はメロンパンを食べるだけで

あんなに美味しそうにして笑ってたのに

今のチビは抜け殻のように死んだような目をしてる。


「蒼空くーん!おーはーよー!」


学級委員の長谷川が朝からうるさく絡んできた。


「うるさい、気が散るから黙って」


「やっと反応してくれた〜。

ねね、何の本読んでるの?」


「お前に関係無い」


「えー教えてよー」


まじでうるせえ、集中して本が読めねえ。

あ、チビに挨拶…

と思ってチビの方を見たらチビは

すでに自分の席に座って窓の方を見ていた。

はぁ…ムカつく。

長谷川のせいで声かけるタイミング見逃したじゃねえか。


「ね、何見てるのー?」


「うるさい、さっさ自分の席に戻れよ」


こいつのメンタルが強過ぎて

追い払いたくても負い払えない。

明はいつの間にかチビ達の方に行ってるし。

ムカつく…

さっきまで元気の無かったチビが

明達と話してて少し笑い始めた。

なんか、余計にムカつく。

本当なら今にでも声を掛けたいぐらい

うずうずしてるけど今のチビ達の様子だと入る隙がない。