「…?一口、いらないの?」


動かない蒼空くんに疑問を持つ私に蒼空くんは…。


「俺今手が塞がってるから、お前が俺の口の中に入れて」


手が塞がってるって…

両方の手はポケットの中に入ってて手を出せば使えるはずなのに、私から貰うのをずっと待ってる蒼空くん。


「ほら、早く」


待ってるのが限界になってくる蒼空くんは、私を急がせる。


「あ、は、はい…」


仕方なく私の手から蒼空くんの口へとメロンパンを一口分にちぎって口へと運んだ。


「うん、美味いな」


メロンパンを食べた蒼空くんは満足そうな顔をしてる。

余程美味しかったのかな?

私も自分が作った訳では無いけど何だか嬉しかった。



楽しかった文化祭も2日間無事に終わり、終わった後は皆で後片付け。


「文化祭って楽しいけど後片付けが大変なのよね〜」


皆で面倒くさがりながらも片付けを進めていく。


「晴空ちゃーん、ごめんけどこれ一緒にもってきてくれない?」


「あ、うん!」


長谷川さんに倉庫に持っていく物を、一緒に持ってくるよう頼まれた私は長谷川さんと西校舎の裏側にある倉庫へと向かった。