男達から見えなくなる曲がり角を曲がった瞬間。

男から引き離された。


「あ、あの…!」


「それじゃ」


お礼をしたくて話しかけようとしたら、私の言葉を遮って何事も無かったかのように。

さっきと変わらない無表情で、私の前から立ち去って行った。



何なの……

何なのあの男はぁぁぁ!!

ナンパ男達から助けてくれた無愛想で毒舌の男と別れた後、いつもより疲れが増したのか。
ご飯中もお風呂の時も凄く眠くて今日は早めに寝た。





翌日。

昨日は早くに寝たから起床のアラームが鳴る前に起きた。

うぅ〜……っあ!

気持ちよく背伸びをした後、部屋を出て階段を降り。

キッチンへと向かい朝ご飯の準備をする。

私の両親は2人共共働き。
仕事が忙しくて頻繁に出張があり、家を空ける事が多い。

だからほとんどの日常は一人暮らしをしてるようなもの。

お母さん達が帰ってくるのは年に2回か3回。

多くて5回程度。

出張で県外に行ったり海外に行ったりとしている。

でもやっぱりたまに1人で居るのは寂しかったりもする。

その時は家が近くの親友の家に泊まらせてもらう事もある。


制服に着替え、目立たない程度の化粧をして

少し長めのミディアムヘアーに、ストレートアイロンで髪を整えて学校の支度をする。


「行ってきまーす!」


誰も居ない家に挨拶をして鍵を閉める。