俺の彼女に手出すんじゃねぇよ

俺がチビを好き?

それは絶対無いな。


「は?お前何言ってんの

ボコすぞ」


「やっぱりそんな訳無いか

まだあの時の事引きずってるもんな」


「うるせ」


「でも木村ちゃんって妙に

瑞希ちゃんに似てるとこあるよな」


やっぱり。

明も俺と同じ事を考えていた。



翌日の放課後。

いつもの図書室で本を読んでいると

どこからか走ってくる音が

ここの図書室に向かってくるように音が大きくなる。

そこに現れたのはチビだった。

俺が用事で席を外してた隙に

一人で日直ノートを出しに行ったバカチビ。


「み、宮本くん、一つ聞きたい事があるの」


「なに?」


チビの質問に俺は本に目線を向けたまま応える。

「私、昨日学校の帰り道で男達にナンパされて

そこに助けてくれた人が居たんだけど

もしかして、宮本くんが昨日

助けてくれた人…なの?」


昨日のナンパを助けたのが

俺なのかを確かめに来たチビ。

本当ならここで「うん」とか言えばいいんだろう。

けど、俺の性格上ひねくれてるからそう

簡単には認めなかった。


「なんのとこ?」


「え…」


「俺昨日は学校からそのまま家に向かったから

人違いでしょ」


予想が違って戸惑うチビ。