【蒼空 side】

3月の卒業式まで残り1ヶ月を切った。


「蒼空くん、はい!チョコ!」


今日は2月14日。

バレンタインデー。

今俺の前には多分手作りチョコであろう。

ハート柄が描かれてある袋にラッピングされた

チョコを渡して来た俺の愛する人。



木村 晴空。



「まずそ」


冗談の一言を言うと彼女は頬を少し膨らませる。


「し、失礼な!もういいもん!水島くんにあげるもん!」


なんて拗ねる。

あー、可愛い。


付き合い初めてから晴空は日に日に可愛いく、綺麗になっていく。

可愛くなっていく晴空に俺の嫉妬も日に日に深くなる。


「冗談に決まってるだろ。冗談でも水島の名前出すとか、いい度胸してんなお前」


「だ、だって…!」


可愛くてつい意地悪したくなるけど、そんな拗ねた姿も可愛すぎて無理。

俺は晴空の腕を引っ張って自分の方へと抱き寄せた。


「ちょ、ちょっと、ここ教室!」


「別に気にしない」


「私が気にする!!」


仕方なく1度離れると晴空は顔を真っ赤にしていた。

はぁ…

ダメだってその顔。

今でも理性保つのに必死なのに、そんな顔可愛い過ぎて限界になるんだけど。