「海だぁぁぁぁー!!」


「バカ犬叫ばないで、見られる。

こっちが恥ずかしいから」


海を見て叫びはしゃぐ岡西くんに真顔で言う美希。

花見の時の7人のメンバーで夏休みに海に来た。

その海に行こうと提案したのが意外な人物。


それは、夏休み前日の終業式の事だった。


「晴空」


帰りの支度をしてる時に

蒼空くんが自分の鞄を持って私の元へ

呼びに来た。


「あのさ…」


「ん?」


蒼空くんは数秒間だけ無言になったけど

すぐに口を開いた。


「夏休み、海に行かね?」


「え?」


蒼空くんからデートの誘いをされるのは

何回もあるけど

海の誘いは初めてだった。


「うん!行く!」


私に断るなんて選択肢は無い。

だから即答で答えた。


「え、なになに?海行くの?

俺も行きたい!!」


「お前は呼んでない」


偶然私達の会話を聞いていた岡西くん。

岡西くんの言葉で明くんも来た。


「いいね〜、俺も行きたいわ

なんならみんなで行こうよ」


「いいね〜!」


「晴空ちゃんは?どう?」


「うん!いいと思う!」


私は2人より皆で行った方が楽しそうだなと

思ったけど…

蒼空くんはこの会話で舌打ちをして呆れていた。


と言う訳で、蒼空くんの一言で皆で行く事になった。