そう言うと蒼空くんはさっきよりも

もっと強く抱き締めてくれた。

その時は互いの思いのままで

明くんと美希が居るのにも関わらず

恥ずかしさも無く、沢山抱き締め合った後

私達は軽いキスをして額をくっつけ笑いあった。


「うわぁお」


「晴空、本当大胆になったわね」


明くんと美希の言葉で我に帰った私は

顔を赤くした。



瑞希さん、見ててください。

沢山壁に当たる事もあると思いますが

私は瑞希さんの分まで

蒼空くんを幸せに

これからもずっとこの笑顔を守れるように尽くします。

その言葉を瑞希さんに少しでも届くようにと

心の中で強く思ったら

どこからか声がした。


「ありがとう」


「え…?」


私の声に不思議に思う蒼空くん達。


「晴空、どうしたの?」


キョロキョロと部屋を見渡す私に問い掛ける美希。


「誰か、ありがとうって言った?」


「「「え」」」


3人が声を合わせて驚く。


「晴空、何よいきなり、怖いわよ!」


「ちょ、ちょっとゾワッとしたんだけど」


「晴空…もしかして…」


私の質問に怖がる美希と明くん。

でも、蒼空くんは違った。

蒼空くんだけは何かを察したのか

私と顔を合わせて互いに同じ事を言った。