【晴空 side】


「瑞希を忘れないためにこのメガネを掛けた」


うぅっ……っ…。


「なんでお前が1番泣いてんだよアホ」


「だ、だって…メガネにこんなにも深い想いが

込められてるなんて…っ…」


愛おしそうに話した蒼空くんを見て私は涙が出てきて

今でも止まらなかった。

そんな泣いてる私を見て微笑みながらも

突っ込む蒼空くん。


「あんたの事、ポンコツとか思ってたけど

本当に一途過ぎて泣けたわ」


隣で話を聞いていた美希も私程の号泣では無いけど

少しだけ涙を流していた。

そんな涙を流す姿でも綺麗だと思ってしまう私。


「今日楓と話してたのは瑞希の命日が3月11日で

墓参りに行くかどうかの話だったんだ」


だから、楓ちゃんが"11日に会いましょう"って

言ってたのか。

ようやく全ての謎が解けたと思ったけど

一つだけまだ疑問が残ってた。


「ん?でもそんな大事なメガネを

またどうして外したの?」


私の問い掛けで私の目の前に座る蒼空くん。


「それは、お前を好きになったから」


「え?」


わ、私!?

そんな大事なメガネを外した原因が私なの!?

またもや驚き。