美希の事はほっといて

私と美咲ちゃんはエプロンを着けて食材に手をつける。


「そー言えばさ、鹿本さんっていつどうやって

あのバカ犬と付き合うようになったの?」


ミーちゃんと遊んでいた美希がいきなり

美咲ちゃんに質問をしてきた。

確かに、いつの間にか岡西くんと付き合っていて

どういう経緯でそうなったのか1度も聞いた事が無かった。


「私も気になる!」


そういうと少し頬を赤くさせて照れる美咲ちゃん。

かーわーいいーじゃんかよぉぉおー!!

と1人で心の中で叫んでた。


「え、えっと…それはですね。

去年の夏に学校帰りで本屋さんの寄り道をしていて

その帰り道を通っている時に知らない

男の人達から声をかけられて

いわゆるナンパって言うものなんですけど

強引に連れられてる私を助けてくれたのが

海斗先輩だったんです」


それを聞いて驚く私と美希。

まさにあの時

私がナンパされているとこを蒼空くんが

助けてくれた話とそのままそっくり一緒だったから。


「こうも偶然ってあるものね〜」


そう呟く美希。

私も思わず頷いてしまった。