パーティーの時は咄嗟の出来事だったから
あまり分からなかったけど今思えば
手は大きくてごつごつしてて
血管もくっきり出てて男らしい手。
「どこか行きたい所ある?」
そう言って歩きながら私に聞く蒼空くん。
行きたい所…そういえば考えてなかったな…。
ん〜どこか、どこがいいかな…。
全然考えられずに居ると
蒼空くんがクスッと笑って
「無理に考えなくていいよ」
と言ってくれた。
前までは微笑む事すらなかった
無表情で無愛想な蒼空くんが
今じゃ笑うようになってる。
なんだかそんな蒼空くんを見てると嬉しくなった。
「うぅ〜…」
「そろそろ泣きやめよ、化粧落ちてブスになるぞ」
「だって、あの主人公の…っ最後が凄く…っ
…悲しかったんだもんっ…」
映画を観に行き、終わった後でも
泣いてる私を笑う蒼空くん。
「ねぇねぇ、あの男の子凄いイケメンなんだけど」
「きゃー!やばい、ちょっと話しかけちゃう?」
「いいねいいね!行こ行こ!」
どこからか私達の方へと近付いてくる
少し派手な格好をした3人のお姉さん達。


