みなさん初めまして。


僕、山田っていいます。


僕は、どこの学校にでもいるような、地味でもなく派手でもない、ごくごく普通の男子高校生です。


たまに山ピーなんてあだ名を付けられることもありますが、あの山ピーとは似ても似つきません。あしからず。


こんな僕ですが、実は自信を持って自慢できることが一つだけあります。


それは……。



「あのさ、環(たまき)くん。今日だけで一体何人に告白されたの?」


「んぁ?知らね。んなのいちいち覚えてらんねーよ」



……覚えていられないほど多いんだね。環くん。



僕の親友────王子環(おうじたまき)くんは、とにかくモテる。めちゃくちゃモテる。


中性的な顔立ちに、モデル並みの体型。男の色気がムンムン漂ってくるそのルックスは、男の僕から見ても魅力的。


それなのに、それを全く鼻にかけていなくて、むしろちょっと面倒くさそうにしてるところが、またさらにカッコイイ。


彼は、僕が胸を張って自慢できる、最高の親友だ。



しかし、高校2年生に進級し、彼と一緒に過ごすようになって、僕は常々不思議に思っていることがあるんだ。