狭い室内には、問題集やプリントがとじられたファイルが大量に並んだ棚。


それが、まるで壁を隠しているかのように両側の壁に沿って置かれている。


そして、正面の壁には夕陽の赤い光が差し込む小さな窓がひとつ。


こちらに背を向けて窓の外を眺めていた数学の先生が、私が扉を開けた音を聞いて振り返った。


…清川先生。


授業はわかりやすくて面白い、みんなに人気の先生だ。


そのさわやかさに惹かれる女子も多い。