あなたと出逢って

そんな話をしながら教室でお弁当を食べる。


ガラッ


大きな音がしてそっちを見ると足でドアを開けている…あの男の子。


｢高橋ってやついる？｣


低い声でそう呟くとクラスメイトの高橋くんが立ち上がって怯えるようにあの男の子の後をついていった。


｢な、なんだったんだろうね。｣


男の子をまた見れた嬉しさと想像とは違った性格に驚く気持ち。

2つの気持ちが混ざってなんとも言えない。


｢え？結花知らないの？椎名仁くんだよ。有名じゃん。｣

｢有名、なの？どうして？｣


私がワケもわからないと言った様子で聞くとはぁっと詩織はため息をつく。

詩織が私のおでこをつん、としながら言った。


｢結花はほんと疎いよね。仁くんは不良って噂で有名なの！それだけじゃなくてあのルックスでしょ？モテないはずがないじゃん。見た目によらずノリも良くてクラスの人気者らしいよ？まぁうちらの1個上だけどね。｣


ルックスかぁ。

確かにかっこいいなって思った。

ちょっと天パみたいなくるんとした茶髪にぱっちり二重で鼻は少し低めだけど体格も良かった。

…やっぱりモテるんだ。