あなたと出逢って

｢おはよ！｣


後ろを振り向くと詩織がこっちに向かって小走りで向かってくる。



｢おはよぉ…。｣


まだ眠い目を擦りながら返事をする。

目の前にいる詩織は私を見るとぎょっとした顔をした。



｢え、なに？｣

｢いや、なに？どうしたの？…その顔。｣



え？

今更顔の話？

そりゃ人より劣ってるのはわかってるけどそんなこと言わなくたって…。



｢いや、なんか勘違いしてるっぽいけど私が言ってんのはそのクマの話しね？｣

｢え？クマできてる？｣

｢うん。できてる。すっっごいのが。｣

｢おかしいな…昨日はすぐ寝たんだけど。｣


昨日の様子を思い浮かべながら答える。


｢そうなの？まぁどーでもいいけど。｣

｢え、酷い。｣

｢嘘だよ。｣


詩織は笑いながら答えてほら、行くよって言うといつの間にかついていた校門をくぐり靴をはきかえて教室に入っていった。