詩織と肩を並べながら廊下を歩く。
「で?何があったの?」
私の普通じゃない様子に詩織が尋ねる。
なんて言えばいいんだろう…。
自分でもまだよくわからない。
ただ一瞬だけ見えたあの男の子の顔が脳裏に焼き付いて離れてくれない。
考える度に胸が鼓動を打つ。
「あ、なんでもないよっ!ただ虫が目の前をびゅーんって!お、驚いちゃって!!」
私は慌てて今思いつきました、と自分で言っているような嘘を並べた。
私の焦った様子に詩織は気づいていると思う。
だってもう8年も一緒にいるんだもん。
でもそんな私を追求する訳でもなく詩織は私をじっと見つめたあと、ふぅっと息を吐くと私の頭をぽんぽんと撫でてそっか、と少しだけ寂しそうに笑った。
「で?何があったの?」
私の普通じゃない様子に詩織が尋ねる。
なんて言えばいいんだろう…。
自分でもまだよくわからない。
ただ一瞬だけ見えたあの男の子の顔が脳裏に焼き付いて離れてくれない。
考える度に胸が鼓動を打つ。
「あ、なんでもないよっ!ただ虫が目の前をびゅーんって!お、驚いちゃって!!」
私は慌てて今思いつきました、と自分で言っているような嘘を並べた。
私の焦った様子に詩織は気づいていると思う。
だってもう8年も一緒にいるんだもん。
でもそんな私を追求する訳でもなく詩織は私をじっと見つめたあと、ふぅっと息を吐くと私の頭をぽんぽんと撫でてそっか、と少しだけ寂しそうに笑った。