チョコレートじゃ想いは届かない





「……ごめん」



こちらに気を遣っているのがよくわかる声だった。



「いや、大丈夫。」



一瞬の間があって私の口からそんな言葉が出た。




「そうだよね、そうなるよね。あ、これからも今まで通り接するから、図々しいけど坂本君にもそうしてもらえると嬉しい。」




君を友達としても失ってしまうのは悲しいから、とは声に出なかった。それはなぜだかわからない。