シャーペンを机に置いて、たった今終わった課題のノートを閉じる。 何気なく窓の外を見ると、夜空に輝く月があった。 ……月、か。 俺は無意識にある人物を思い浮かべていた。 彼女は、月に似ている。 夜空に輝くあの三日月に。 胸が、締め付けられたような気がした。 この感情がなんなのか…正直よくわからない。 ゆっくり、確かめていけばいい。 俺はまるで月を隠すかのように、カーテンを閉めた。