誰もいない、ガランとしたリビングを見つめて、あたしはため息を漏らす。 1人娘が高校に転入する前夜だってのに、電話さえしないのかよ。 …ま、予想はしてたけどさ。 新しい高校の制服。 新しい、生活。 やっと、家を出られたんだ。 期待と不安、そんなものが入り交じった複雑な心境。 でも、大丈夫。 きっと楽しい生活が待っている。 この時のあたしは これから起こる運命など しるよしもなかった