始まった、ばかりの頃は良かった。

口を揃えて言う。

話してわかって、

伝えなくて分かったらそれは奇跡だった、

笑いあった。

ところがどうだ、

中途半端な速さで、中途半端に時間が流れると、

これまた中途半端な何かが、

私たちを離そうとしてくる。

新進気鋭の恋プレイヤー達が、

バッタバッタ意気消沈してゆくところを何度も見てきた。

私たちにはそんなことは起きないだろう。

そう思った矢先、

起きたこの事態。

私にとっては大事で、

もう愛を伝えてしまっている。

愛してるよ。

と。伝えてしまっている。

自分が一番分かってないだろうに、

軽々しく口に出す。

もう大人になった気分で、

最強になった気分で、

分かってもいない愛を、恋を、依存を、

本気で伝える。

それが子どもで、なんとも子どもで、

でもとても大人だ。

恐らく彼らよりも大人だろう。

透き通った目をし、純な恋だけを愛と信じ、

純な依存だけを恋と信じて、

麗しい声で名前を呼ぶのだから。

こんなものが子どもの特権と言ってもらっちゃ困るよ。

彼らのほうが子どもじゃないか、

彼らも今でもこれを味わう事が出来るだろう。

なんせ子どもだから。