「サッカー部関係ないでしょ。それに、かっこいいって思ってるの、見た目だけじゃないくせに」

「…そうだけど、由里子には内緒」

「可愛い奴め」



私の頭をわしゃわしゃと少し乱暴に撫でてくるのは、由里子の姉御肌な性格をとてもよく表してると思う。

そして、そのわしゃわしゃがすごい好きな私も、由里子が大好きだってことを物語っていると思う。

あと、それを遥にやってもらったときを思い出して、一人回想にトリップしている私も、遥のこと、相当好きなんだな…って、実感する。



「でもさ、夢叶。うちら、もう中3になるんだよ?来年なんか、受験生だよ?…離れ離れに、なるかもしれないんだよ?」

「…うん、わかってるよ」

「このままでいいの?」

「いくないことは、私がいちばん、わかってるつもり」



ううん、ちょっと噓。

「わかってるつもり」なんて曖昧なものじゃなくて、絶対「よくない」って言い切れる。ほんとは。